ドンカとは、オーナーであるドン・カルロスさんの子供の頃からの愛称。ご祖父さんもお父さんも「カルロス」という名前だったため、お父さんはカルリートス(カルロスちゃん)、その子供はあえてドン・カルロス(カルロス殿)と呼ばれることになり、略してドンカ(笑)。そして、愛着のある自分の愛称をレストランの名前にしたのだそう。
他のパリージャとの大きな違いは、ドンカさん(画像右)自らが全てのテーブルをアテンドしていること。お店が混雑する週末の夜だけはアシスタントがつきますが、お客さんが満足しているかどうか、ドンカさんは常に気を配らせています。呼ぶたびに笑顔で応対してくれるドンカさんの人柄からか、何となく親しい友達の家に食事に来ているような気分に。
さて肝心のパリージャなのですが、ドンカさんが独自のルートで仕入れているというお肉は柔らかく美味で、焼き加減も注文どおりで文句なし。肉料理だけでなく、自家製パスタもこしがあっておいしい。お料理のあとは、アルゼンチンの代表的で素朴なデザートの盛り合わせ(画像左)を味わって。お馴染みのフランにドゥルセ・デ・レチェ、カスタードクリームを固形にしたような不思議な食感のアンブロシアに、卵黄たっぷりのトシーノ・デ・シエロと、とにかく全部甘~いので、2~3人でシェアすると良いでしょう。
そして、やっぱりここにもいましたよ、あのペンギンさんたちが!ひとつひとつに手描きのイラストが施されたなんとも愛くるしいピッチャーたち、ペイントしているのはドンカさんのお母さまなのだそう。お店で実際にワインのデカンタとして使われていますが、売りものでもあるので、観光で訪れている人たちがアルゼンチンの思い出としてお気に入りの1本(1羽?)を買って行くのだとか。
広くて大きなレストランもいいけれど、ビストロのようにこじんまりとしたアットホームなパリージャで楽しむ「アルゼンチンの味」は、また格別な感じがします。