Thursday, July 19, 2012

アルゼンチンの守護聖母 [Nuestra Señora de Luján]

皆さんは、アルゼンチンの守護聖母「Nuestra Señora de Lujan」(ルハンの聖母)のお話を知っていますか?
1630年、アルゼンチン北部の街サンティアゴ・デル・エステーロに住むポルトガル人のカトリック信者が、ブラジル在住の友人に聖母マリア像の製作を依頼し、輸送してもらったときのこと。船でブエノスアイレス港まで無事に到着したあと、陸路で1150km離れたサンティエゴ・デル・エステーロまで運ばれることになっていましたが、ブエノスアイレスから西におよそ70kmの地点で、荷物を運んでいた牛たちが突然動かなくなってしまいました。
それまでは疲れた様子もなかったのに、どういうわけか前に進まなくなった牛たち。不思議に思った配達人たちは重い荷物を降ろしてみましたが、全く効果はありません。いろいろ試した挙句、高さ38cmの小さなマリア像を降ろしてみると、なんと牛たちは何事もなかったかのように歩き始めるという不思議なことが起きました。

そこで配達人たちは、マリア像がその場に留まることを告げているのだと解釈。マリア像は一旦近くの農場主に預けられ、後に近郊のルハンという町にマリア像を祀る小さな礼拝堂が作られました。やがて、「ルハンの聖母が願いを叶える」という噂が広まって多くの信者が集まるようになると、礼拝堂はどんどん拡大され、1935年に立派な大聖堂に変貌。これが現在、アルゼンチンのカトリック信者たちの巡礼地となっているBasílica de Nuestra Señora de Lujan(ルハン大聖堂)というわけです(→右の画像は大聖堂の内部。ステンドグラスとシャンデリアの美しさに思わず目を奪われてしまいます)。
もともとルハンの聖母はテラコッタ製であったために、時を経て表面が劣化。その後、銀製のマントで保護されることとなり、現在のような姿(画像上)になりました。国旗の色をまとった、いかにもアルゼンチンらしい聖母は、ブエノスアイレスの街中でもあちこちで見かけることができます。
アルゼンチンに来た思い出として、またはこの国の恩恵を受けながら生活する者として、アルゼンチンの守護聖母をお守りとして身につけてみてはいかがでしょう。ルハン大聖堂の周辺には、このルハンの聖母をモチーフとしたグッズを売るゴンドラがたくさん並んでいるのですが、私はいつも大聖堂に隣接したSanteria(サンテリア=教会グッズのお店)にて、おみやげ用に左の画像にあるようなチャームを購入します。直径8mmくらいの小さなもので、シンプルでとても可愛いのですよ。グッズを買ったあとは必ず、大聖堂の入り口手前にいる神父さんに、聖水をかけてもらってお清めすることを忘れずに。


☆ルハン大聖堂へは、路線バスの57番や鉄道でも行くことが可能ですが、道中の安全のためには車か、もしくはブエノスアイレス市内からルハンまで直行するミニバンやハイヤーのサービス利用をおススメします。下記のサイトに、ルハンまでのミニバンサービスを運行している会社の一覧がありますのでご参照ください。
Que Hacer en Lujan: http://www.quehacerenlujan.com.ar/directorio/comercial/transportes/servicio-de-combis-y-charter.html

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