Monday, October 1, 2012

甘い幸せ、見~つけた! [Smeterling]

甘いものが大好きな人にとって、美しいケーキが並ぶショーケースを眺めながらどれをいただこうかと選ぶときほど幸せな瞬間はありません。特にそれが見た目にも美しいケーキだったら、まるで恋する乙女のようにわくわくしてしまいます。ブエノスアイレスの高級住宅街レコレータ地区にあるパティスリー「Smeterling」(スメーテルリン)は、そんな幸せを体験するのにぴったりのお店。窓を飾る艶やかで色とりどりのケーキたちに誘われて、ついつい中に入ってしまう魅惑の世界です。でも、これほど完璧で美しいケーキたちが、まさか20年近くもIT関連の仕事をしていた元キャリアウーマンによって作られているなんて、きっと誰も想像できないことでしょう。
「Smeterling」のオーナー兼パティシエのイサベル・ベルマルは、 元インダストリアル・デザイナー。一昨年、長年勤めたヒューレット・パッカード社に別れを告げ、趣味だったお菓子作りを活かしてパティスリーを開きました。

でも、「Smeterling」は他のパティスリーとちょっと違います。お店の中にショーケースがあり、店員さんがその後ろで客の応対をするというのが一般的ですが、「Smeterling」のケーキは全部、通りから見える窓際に並べられていて、お店の中にはなんと調理台、そしてその前にはカウンターがあって、ケーキと一緒にコーヒーや紅茶をいただけるスペースが設けられています。「ひとりでキッチンに閉じこもるのではなく、会話を楽しみながらお菓子を作るのが好き」というイサベルのアイデアで、作り手と客が向かい合って交流できるスペースになっているのです。私がカウンターでコーヒーとケーキをいただいている間も、お散歩中のご婦人がふらりと入って来て、「昨日買ったケーキ、美味しかったわよ!」とだけ報告して出て行ったり、たくさんの書類を抱えた女性が「外回りに疲れたからちょっと休憩するわ」と言いながら、隅っこのソファーに腰掛けてお茶を飲んだり。ケーキの美味しさだけでなく、イサベルの人懐っこさに惹かれて常連客になる人も多い様子がうかがえました。
 ケーキのバリエーションはチョコ系、シトラス系、ベリー系など約12種類ほどあって、うち1つか2つは季節ごとに変わります。例えば、春真っ盛りの今だったらラベンダーとピスタチオのケーキ(画像左)。お味はいずれも保証付きですが、どれも「アルゼンチンサイズ」。ひとつを二人でシェアできる大きさです。他にもマカロンやカップケーキ、クッキーなどがあって、持ち帰りはもちろん、いずれもその場で食べることが可能です。

 ちなみに、お店の名前になっている「smeterling」とは、ドイツ語で「蝶」を意味する「schmetterling」(シュメッターリング)の発音をスペイン語風に表記した造語。「華麗な変身を遂げる蝶のように、素材を美味しく美しいものに作り上げるという自分の日課を表しているのよ」と話してくれるイサベル自身が、まるでキャリアウーマンからパティシエに変身した蝶のようにいきいきと輝いて見えました。

Smeterling
Uruguay 1308(Juncal通りとの角近く)
Tel. 5294-6070
*公式サイト:http://www.smeterling.com
*Facebookページ:Smeterling

ブログをなかなか更新することができないので、「ブエノスアイレスの日常」をインスタグラムにてゆるりと紹介しています。これからはこちらをフォローしていただけると嬉しいです♪ http://www.instagram.com/jpportena