Sunday, June 19, 2011

クリエイターたちの横顔 その1 [Eloise Alemany]


4年前からブエノスアイレスの「ちょっといいもの」を紹介しているこのブログを始めて以来、つくづく感じていることがあります。それは、アルゼンチンにはオリジナリティーと才能に溢れる人たちが実にたくさんいるということ。そこで今回から、この国で活躍する様々な分野のクリエイターたちを紹介しようと思います。第一弾はフリーエディターでありアートプロデューサーでもあるエロイーズ・アルマニー(Eloise Alemany)さんです。


 フランス人であるエロイーズは、なんと東京生まれ。17歳まで、フランスの外交官であったお父様の赴任先の東京で育ったという生粋の江戸っ子です。お父様のイブ・アルマニー氏は東京のフランス大使館に外交官として勤めていましたが、その後他の国に赴任するよりも大好きな日本に残ることを決意。もともと交流のあった「KENZO」のデザイナー、高田賢三氏より厚い信頼を受けて「ケンゾー・ジャパン」を創設。現在は「クリストフル・ジャポン」のCEOを務めていらっしゃいます。
そんなお父様の影響を受け、幼い頃からモードやデザインの世界に親しんできたエロイーズは、17歳まで東京で過ごした後、アメリカのプリンストン大学を経てロンドンへ。イギリスの有名なファッション情報誌「i-D」誌のエディターとして数多くの編集・企画に携わってきました。
その後フリーのエディターとなり、ひょんなことから訪れたブエノスアイレスの街と文化に魅了され、9年間暮らしたロンドンを離れてアルゼンチンに移住。自分の好きなものを本にして紹介するという夢をこの国で実現すべく、アルゼンチンのデザイナーたちの本を製作した後、お母様のパスカルさんのデザートレシピを集めた「Cuaderno Dulce」を出版しました。
パスカルさんはル・コルドン・ブルーでお料理を学び、ご主人と一緒に日本で生活する中、現地で知り合った日本の女性たちにフランス料理を教え始め、現在もパリと東京で料理教室を開催しているのだそう。フランスの一般家庭で作られる素朴なデザートばかりを集めたこの本は、スペイン語版の他に日本語版もあって、そこにはエロイーズの日本に対する敬意と愛情が込められています。
オットーという名の3歳の男の子のママでもあるエロイーズは、「ずっとブエノスアイレスに住み続けるかどうかはわからないけれど、今のところはこの街が居心地良くて」とアルゼンチンでの生活を満喫しています。東京生まれのフランス人女性が作り出す世界に興味のある方、お母様のパスカルさんのレシピを知りたい方は、ぜひエロイーズが出版した本を手にとってみてください。


Eloise Alemany
eloise.alemany@gmail.com

*日本語のブログ:http://cahierdedesserts.blogspot.com/
*アルゼンチンのクリエイターたちによる思い出の料理を集めた「Libro de Cocina」を紹介しているブログ:http://www.dosdocenas.blogspot.com/

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