Friday, May 20, 2011

アルゼンチンに敬意を表して

アルゼンチンの人たちは5月の中旬から下旬にかけて、胸に「escarapela」(エスカラペーラ)という円形章をつけます。
日本ではあまり馴染みのない円形章ですが、アルゼンチンでは国旗と同様に、国への忠誠心を示す印として使われるもの。祭日や国家の行事があるときは、大人から子供まで皆が水色と白のリボンで作られたエスカラペーラをつける習慣になっています。
特に毎年この時期は、まず5月18日が「エスカラペーラの日」に制定されていること、そして5月25日は、スペインの支配下から独立しようとブエノスアイレスの人々が立ち上がった「五月革命」の記念日であることから、街頭でもエスカラペーラを売っているスタンドがあちらこちらで目に付くようになるわけです。
私は以前、エスカラペーラには特にこだわっていませんでした。手元にあればつけていたし、見当たらなければ無理に探そうともしなかったのですが、ある日、ここに住んでいたアメリカ人の友達から「私たちはアルゼンチンの恩恵を受けて生きているのだということを忘れてはいけない」と言われ、深く納得。それを機に、自分や家族が健康で幸せに暮らしている国に、年に1度、改めて感謝と敬意の気持ちを表すことは大切だと感じるようになりました。
 そこから私の「お気に入りのエスカラペーラ探し」がスタート。普通のリボンで作られたものはなくしてしまいがちなので、ちょっとアクセサリーぽくて、小さくて可愛くて目立つものがいい!という理想を念頭に置きながら、探して探してやっと見つけたのがこちら(←画像左上)。直径1センチくらいのピンなのですが、ご覧のとおりアルゼンチンカラーのダイヤカットビーズがきらきらしていて可愛いんですよ。
 また最近は様々な素材で作られたエスカラペーラがあるようで、次女は近所のアクセサリーショップでカジュアルなクッションタイプのもの(←画像左下)を見つけ、通学用のバッグにつけています。

エスカラペーラではなく、国旗の形のブローチをつける人もいて、自作のアクセサリーを作っているあるデザイナーによると、その昔エバ・ペロン(エビータ) がヴァン・クリーフ&アーペルから贈られたというクリスタルビーズのアルゼンチン国旗型ブローチ(→画像右)を真似た製品も人気なのだそう。無理に気を張ることなく、ちょっとしたオシャレを楽しみながら国家に敬意を表するというのは、なかなかいいことだと思いませんか?

*追記:ちなみにエビータが所有していたこのブローチは、98年にニューヨークの競売場「クリスティーズ」でオークションに出されました。アルゼンチンの有名なタレント、スサーナ・ヒメネスは、このブローチをどうしても祖国に持ち帰ろうとして競り合ったのですが、最終的には匿名の人物によって99万ドルの高値で落札されたとか。この謎の落札者、実は映画でエビータを演じたマドンナだったという噂がありますが、真相のほどは誰も知りません。

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